遠隔地のためとはいえ、これまで現地入りできずにいました佐賀吟詠会に、春季考査会出席と佐賀・大分史跡探訪を組み合わせ九州吟行を計画しましたところ、佐賀吟詠会の皆様の大歓迎を受け大変有難い佐賀訪問となりました。
初日は、考査吟詠と考査外吟詠と懇親昼食会(全体)、懇親夕食会(幹部先生方と)と佐賀吟詠会の皆様と親睦を深めることができました。
平素の感謝とこれまでのご無沙汰のお詫びと今回訪問の喜びと宗家メッセージと総本部七十周年大会盛会の御礼を述べ、これを受けての七十一年目からの力強い歩みを表明することができ、大変有難いタイミングで佐賀入りできました。
佐賀吟詠会会員各位の吟詠は吟道の王道を行く堂々たるものでした。真心と気合のこもった吟風は、自ずから摂楠の吟風であり、会の活動は和気藹々として、こちらが大変良い刺激を受け、色々と大事なことを学ばせて頂きました。
吟詠行事が終了してからは、一端宿泊ホテルで休み、夕食で改めて幹部先生方と懇親、次いで翌日、佐賀の名所を案内して頂き、必ず訪ねたかった竜造寺八幡宮境内に建立の楠公神社参拝も、先生方と「大楠公」徳川斉昭作の奉納吟詠で実現、社殿横の楠公義祭同盟の石碑前での記念撮影を皮切りに、佐賀城本丸記念館→大隈重信記念館→肥前さが幕末維新博覧会と連れて行って頂き、佐賀に偉人の多いことに改めて驚き、それに対する佐賀県民の郷土愛の深さにこちらも熱くなり、締めくくりに佐嘉神社(ご祭神は鍋島直正公)を参拝し、佐賀の史跡探訪を終えました。
佐賀の先生方には、すでに何度も足を運ばれた場所かと思いますが、温かく行動を共にしガイドして頂いたわけですが、お疲れなのに長時間大丈夫かなと恐縮でもあり、最後は、佐賀の先生方と別れるのもとても名残惜しい中、予定の電車で次の大分へ向かいました。
移動社内では、佐賀の先生方の笑顔が次々に瞼に浮かび、しみじみと有難い佐賀訪問だったと感激に浸り、次の目的地、広瀬神社の存する豊後竹田駅に日が落ちた頃に到着しました。
最終日にむけては佐賀での充実の余韻を消すのに苦労しましたが、宿で休息してから、気持ちを切り替えていきました。この日は広瀬武夫中佐が旅順港閉塞作戦で壮烈な戦死をされた命日であり、命日祭が祭行されており、これに厚かましくも事前に参列を願い許されての訪問で、広瀬武夫中佐作の「正気の歌」を謹んで奉納吟詠させてもらいました。
竹田市には、他にも見どころがありましたが、一日中、広瀬中佐に集中して、余計なといっては失礼ですが、町の散策で中佐が生まれた町並みを感じること以外にはせず、命日祭後に行われた「廣瀬武夫を学ぶセミナー」を拝聴し、広瀬神社境内にある広瀬武夫記念館をじっくり拝観し、宮司様と親しくお話させて頂き、帰路につき、夜半に帰明、大変充実した一連の九州吟行を終えました。(記 藤原摂鵬)
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